blog

 

 

2018/12/29

 

郊外の動物園へ。"Wildlife"をコンセプトとした面白い場所でした。ここは、自然をそのまま利用する形で動物園という空間を「なんとか」つくっています。動物が住む場所を建築等で用意するのではなく、木、川、湖、森など、広大な自然環境をそのまま生かすことでその場としています。

 

例えるならば、多くの動物が「偶然」生息する森というイメージ。当然、その空間を維持するための仕掛けが色々とありますので、「天然・偶然」ではなく人工物です。ただ、コンセプトに強い思いと思想を感じます。広大な自然を感じる動物園で、気持ちの良い1日でした。

 

 

 

 

2018/12/26

 

報告が遅くなりましたが、12月8日の表彰式をもって本年度も「こんな自転車欲しかってん!コンテスト」(社会問題を見つけ、分析するコンテスト)が無事終わりました。多くの方々に頂きましたご支援に心より感謝申し上げます。(詳細は以下に掲載されております。)

http://www.bikemuse.jp/event/child/planning/

 

今回は11回目。大阪堺を中心に本年度は1716通の応募がありました。堺市長賞は小学校4年生、近畿経済産業局長賞は小学校6年生、堺市教育長賞は小学校5年生、自転車博物館賞は中学校1年生が受賞しました。

 

引き続き、次年度も実施をいたします。本年度応募された方はもちろん、是非引き続きご応募を頂けましたら有り難く存じます。なお、本企画シートは、社会科や総合等の教材として活用できる様、作成をしております。是非、授業でもご活用を頂けましたら幸いです(ここからダウンロード可能です:「企画シート」ダウンロード))。引き続き、変わらぬご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

2018/12/25

 

先日は、p4cの教員養成に関する聞き取り調査。英国のオックスフォードを中心に行われている民間団体による養成トレーニングの仕組みについて聞き取りを行いました。

 

基本的なプログラムは24ヶ月(標準)と48ヶ月(発展)。教員とコラボレーションしながら行うプログラムです。単発の講義や研修ではなく、1ヶ月を一つのタームとし、それを24(48)のブロックに分けて継続的に行います。しかも、その中心は外部講師による講演や助言ではなく、教員自身のリフレクションを中心として仕掛けていきます。

 

おそらく、重要な点はこの期間。あくまでも推測ですが、数年かけて行うことで学校内外にチームやネットワークを作り上げてゆくことが出来ます。この動きが力を持つ(様々な人がそこに力(権力)という「空気感」を付与する)。そこに意味があると感じました。とても興味深い聞き取り調査でした。

 

 

 

 

2018/12/18

 

本日はBritish Libraryで会議。現在、日本で新しいassociationの立ち上げを進めており、その打ち合わせを行いました。

 

今回はヨーロッパの教育系学会の前会長へ聞き取りとお願い。教育系のassociationは時として政治が付きまといます。学会は英国が先導しておりますが、ヨーロッパの関連学会との調整がやはり難しい様で、そのあたりの進め方を勉強させて頂きました。また、本学会からもサポートを頂けることになりました。(関係者の方々、面白くなりそうです!)

 

私自身、あまり政治は得意ではありません。ただ、日本国内で志を同じくする仲間がいることで救われています。引き続き、アカデミックに、アクロバティックに色々と進めて参りたいと思います。

 

 

 

 

2018/12/14

 

過日学会でお声がけを頂いたprofessorとdialogical learningの共同研究打ち合わせを行いました。共同研究を合意するまでのプロセスが非常に面白い。

 

過日、まず先方からメールをいただきましたが、その文面は「共同研究に係る私のメリットは○○である。私はあなたの研究へ○○を提供出来ることから、あなたのメリットは○○が想定できる。それ以外にも私の研究として○○も提供可能なことから、あなたは○○も享受できる。したがって、このプロジェクトは双方にとって利益があることだ」との記載からはじまりました。

 

日本のそれは、メリットの部分を自身で考え「忖度」することも多いですが、ロジックが大きく異なるものでした。開かれた可能性を感じさせる、またこちらの「やる気」も喚起される華麗で合理的なお誘いでした。私も真似をしてみたいと思います。(写真は、リーズの街中に突如現れたクリスマス・マーケットです)

 

 

 

 

 

2018/12/10

 

少し前ですが、チャンピオンズリーグを観戦。初めてヨーロッパでサッカーを観戦いたしました。最後にサッカーを見たのは、おそらくJリーグ開幕時の横浜マリノス戦。人生2回目のサッカー観戦でした。

 

過日、サッカーを用いた社会科を実践しました。また、文化としてのスポーツはよく分析をしています。ただ、その場の空気を感じ、街とは異なる空気感も感じることが出来たことは大きな収穫でした。良い「文化体験」でした。

 

 

 

 

 

2018/12/8

 

先日は学校で公民系の授業を参観。共に授業を作らせていただいている先生が、別に展開をしている授業です。

 

今回は高1対象の社会学の授業。テーマはG.H.ミード。生徒はすでにマルクスやウェーバーを学んでおり、今回はミードのシンボリック相互作用論を学び、それを用いて自由に社会問題を考える授業でした。

 

内容的には非常にレベルの高い授業でしたが、教師の授業展開が秀逸。抽象的概念は全く用いずに授業は展開し、生徒も楽しんで議論を進めていました。刺激的な授業でした。(写真:街中はすっかりクリスマスの装い。巨大なツリーも飾られ、ジングルベルが色々なところから流れて参ります。)

 

 

 

 

2018/12/2

 

先日はリーズの中等学校でインタビュー調査。子どもへ歴史学習の意義等について聞き取りを行いました。

 

インタビューの中で、歴史学習と地理学習の違いも聞きましたが、とても面白い回答。歴史は物語を分析したり解釈するcreativeな学習だから面白いが、地理は情報としての学習とのこと。教科や領域への誤解もある気が致しましたが、一つのサンプルです。当該学校のカリキュラムの関係と共に分析をする必要がありますが、予想外の回答にとても驚きつつ、非常に興味深く感じました。

 

引き続き、色々と「突っ込んだ」調査を続けて参りたいと思います。

 

 

 

 

2018/11/29

 

現在、岐阜大学附属中学校の前田佳洋先生が英国へ来られています。ご自身で外部資金を獲得され、英国調査をされています。

 

滞在中、前田先生は中学校の授業見学や学会参加など、精力的に活動されています。本日は学会参加及び、2月の一時帰国時に実施予定の歴史授業の打ち合わせを行いました。(授業は公開を予定しています。日時等が決まりましたら、改めてアナウンスをさせて頂きます)

 

現在、複数の研究プロジェクトが走っており、岐阜を中心に多くの先生に助けていただいております。前田先生はその筆頭。共に研究を進めることが出来ている喜びと楽しさを感じながらの打ち合わせでした。

 

 

 

 

 

 

2018/11/26

 

本日はリーズの中等学校で研究授業。社会学の授業の実践でした。テーマはアイデンティティー。言語が生み出す差別について議論を行いました。

 

英語はその使い方やアクセントに出自や階級、民族を当てはめる傾向があります。これが一定のステレオタイプを生み出します。生徒と共に社会学の文献を読み込みながら、皆で議論を行う授業でした。

 

非常に面白い授業で、色々と応用可能な視点が含まれています。日本でも応用をしてみたいと思います。

 

 

 

 

 

2018/11/23

 

先日はロンドンの初等学校でp4cの授業見学。4ヶ月ほど交渉を続け、やっと学校訪問が叶いました。当該の学校は学校のカリキュラムとしてp4cが位置付き、全教科で実践をしています。また教員研修としてのプログラムも開発・実施しています。

 

実践は米国のそれとは大きく異なるもの。またインタビューをした数名の教師の考え方も、日米とは大きく異なるものでした。当該の学校では、授業の目標に応じて各教員がp4cをアレンジする範囲が広く、自身の問題意識と課題から授業方法を設定(開発)し、取り組んでいました。また、教員の自由な教材研究を組織として保証している学校のマネジメントも非常に刺激的。とても勉強になりました。継続的に調査を進めたいと思います。

 

 

 

 

2018/11/22

 

以下の論文が刊行されました。

 

「探究学習における対話の原理-グローバル時代における社会科教育研究方法論の提案を通して-」『社会科教育研究』日本社会科教育学会、2018、pp.72-85

 

日米の中等学校で同じ授業を実践し、その分析データとともに教育論(方法論ではなく)としての対話の考え方を論じました。

ご関心があれば、是非ご一読を頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

2018/11/18

 

学会発表のためオーストリアのグラーツに来ています。今回の発表タイトルは以下。

 

Philosophy for Children and democratic citizenship

 

日米の比較研究を事例に、授業の中で教師と子どもの関係をどのように考えるか、検討しました。発表後やレセプションで多くの方に声をかけて頂き、英国、イスラエル、オーストリア、フィリピンでも追加調査が可能となりました。社会科系の専門家はゼロでしたが、方法論を統一することで十分戦えることを実感しました。学会後は議場へ移動してレセプションを開催。市長も登場し、盛大な会でした。

 

左の写真が発表会場。雰囲気に飲み込まれそうになりましたが、質疑応答も非常に建設的。ここ数日は発表準備で必死でしたが(関係者の方々。音信不通になってしまい、ごめんなさい。。)、結果的に楽しい時間を過ごすことが出来ました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/11/12

 

リーズベケット大学で、日本の学習指導要領の分析プロジェクトが立ち上がりました。過日、日本の指導要領改革について数人のprofessorと少し話をしたところ、急展開で話が進み、皆で分析をしようとのこと。

 

先日、一人のprofessorが(ご自身の観点から)如何にイングランドではナショナル・カリキュラムが失敗をしてきたか、という話をされていました。そこで、日本の新学習指導要領(主に社会科系)にみられるinquiryの考え方と思想、及び「政策」としてのナショナル・カリキュラムの意義・可能性・限界、を数名で検討することになりました。

 

まずは指導要領を英語で考えることから始めなければなりません。ハードルは高いですが、面白そうなプロジェクトが始まりました。

 

 

 

 

 

2018/11/10

 

先日は学会発表。子どもの文化が授業へ及ぼす影響、及びそれを活用した学習環境デザインの考え方を提案しました。

 

参加者は社会科ではなく教育学全般。質疑応答では制度が持つインフォーマルな思想形成の力、また教師と子どもの関係を問い直すアイデアなど、様々な議論が展開しました。

 

今回は質疑を合わせて60分。長時間の枠でしたので、現在行き詰っている点なども示し、それに対しても多くのアドバイスを頂くことが出来ました。ヨーロッパの学会の多くは、皆で発表者の提案を考えてゆく場、すなわち建設的批判の場と考えられています。発表後も「この人のツイッターは参考になるよ」などとメールでも連絡をいただきました。とても勉強になりました。

 

 

 

 

 

2018/11/7

 

本日は日本と英国をつないだ授業実践。先日の授業では時間が足りず、急遽延長戦を行いました。日本側は岐阜高校と附属中学校の合同チーム。岐阜高校の多くの先生にサポートを頂きながら、附属中の矢島教諭がファシリテートをされました。

 

本日のテーマは「資本主義の功罪」。日英の生徒が議論を戦わせました。議論では、「社会における格差を完全に無くすことは不可能である」という前提に立ち、「しかしリソースを社会で共有することにも限界がある」。では、そこへどのように向き合うべきか。また、教育(および学校)の役割は、など、多方面から議論がなされました。

 

英国・米国と協働した本プロジェクトもすでに4回目となります。生徒は異なりますが、回を重ねるごとに議論が深くなってまいりました。我々の側も日々学びながら進めていることを実感しております。関係者の先生方、引き続き、どうかよろしくお願い申し上げます。(なお、先日の授業の様子が岐阜高校のHPに掲載されました。https://school.gifu-net.ed.jp/wordpress/gifu-hs/ )

 

 

 

 

 

2018/11/05

 

先日は、「こんな自転車欲しかってん!コンテスト(シマノ・サイクル開発センター主催)」の審査委員会。自転車を通して社会問題を考えるコンテストで、審査委員長を拝命しております。私は遠隔での参加でした。

 

今年も多数の応募があり、審査にも熱が入ります。小中学生が論理的に社会問題を分析する企画。私も色々と気づかされることがあり、毎年とても勉強になります。

 

結果は11月10日に自転車博物館サイクルセンターのHPで発表されます。ご応募頂きました学校・先生方、もうしばらくお待ち頂けましたら幸いです。http://www.bikemuse.jp/event/child/planning/ 

 

 

 

 

 

2018/11/2

 

以下の論文が刊行されました。

 

田中伸・辻本諭・前田佳洋・矢島徳宗「教師・歴史学者・社会科教育学者が協働した授業のゲートキーピング歴史学の思考・方法を活用した解釈を主体とする歴史教育実践–」岐阜大学教育学部研究紀要、67巻第1号、2018、pp.41-53

 

本論文は、歴史教育を事例に教師・歴史学研究者・社会科教育研究者が協働して授業をデザイン・実践・改善・検証する方法論を示すものです。ご関心のある方がおられましたら、ご検討を頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

2018/10/30

 

11月に以下のタイトルで発表を行います。

 

The Phenomenology of the Group Dialogue: The Description of p4c in Japan and new challenge for social studies methodology

 

今回の発表は1時間(質疑応答含む)。現在、原稿作りに追われております。実証研究のデータを示す場合、20分では十分に論証が出来ないことがありますが、今回は十分に説明や議論が出来そうです。ただ、代わりにデータの分析に膨大な時間がかかります。。。引き続き努めたいと思います。

 

(私の肩書きが「岐阜大学の客員准教授(任期付っぽい肩書き)」となっています。「岐阜大学から来ているリーズベケット大学の客員准教授」ですので、色々と混ざってしまった様です。まあ、たいした問題ではございません)

 

 

 

 

2018/10/29

 

10月28日はsummer time end。夏時間が終わり、通常の時間に戻りました。

 

日本の新聞を読んでいると、ドイツなどでサマータイムには色々な議論がある様で、興味深く拝読しています。(「色々な」といっても、特定の見方の記事が多い様にも感じますが)。

 

27日から28日の夜中にかけて1時間戻ります。実体験としては、ちょっとした時差ボケのような感覚。翌朝には全ての家電の時間を1時間戻しました。面白い経験でした。

 

 

 

 

2018/10/27

 

学校教員とともにカリキュラムを作り、実践しています。今回は中3を対象とした歴史の10時間構成(当初は9時間でしたが延長しました)をデザイン、先日はその最終日。2ヶ月半に及んだプロジェクトが完了しました。

 

最後の授業は社会科部(的なもの)に所属する複数の教員へ公開し、作成。今回も授業デザインの際は歴史教育観を戦わせた議論になりました。しかし、面白いのは皆が持つ共通理解は歴史学習の目的を批判的思考の育成と捉えている点。誰も「英国人としての教養の獲得」とは言いません。史実批判や歴史家の検証手続きの批判などを共通の基盤とし、各教員が持つ授業論・学習論・歴史教育論が交差しながら授業を作ります。

 

もちろん、重要な点はそのマネジメント。授業を制度や入試、学校カリキュラム、家庭からのニーズなどと調整してゆくことが求められます。今回の実践もそれらを踏まえたものとなりました。非常に面白く、またどこかで報告をしたいと思います。(学校の写真は掲載不可ですので、左は学校から見える空の写真です)

 

 

 

 

 

2018/10/25

 

11月に2回、学会発表を行います。1回は一般教育学系、もう1回はp4c関係です。前者では現在進めているコミュニケーションの研究を日本の教育改革と絡めて発表します。後者は、授業実践を含めた質的研究の発表です。

 

海外での学会発表は日本の社会科教育研究の枠組みではなく、研究方法を含めて「お作法」を踏まえる必要があります。そのため、多様な領域の研究者が共通の土壌で議論をすることが可能となります。使う言葉を厳密に吟味する必要があるためレジュメ作りに相当の時間がかかりますが、写真(大学から見える風景)の様な景色を眺めつつ、取り組んでおります。今朝のリーズの気温は一桁。マフラーが手放せない季節となりました。

 

 

 

 

2018/10/22

 

会話の中で判断に迷う単語があります。その一つが"cool"。多様な意味が含まれた言葉で、生徒へのインタビューの中でも頻繁に出てくる言葉です。基本的には"良い"という意味ですが、その程度差が難しい。その度に聞き直す必要があります。

 

厚い意味合いを平たくする表現(言葉)。日本語にも多くありますが、しっかりと耳を傾ける必要がありそうです。英語を通して感じています。(写真はMartyn Ford, Peter Legon"Get Around in English, LGP, 2017, p.32)

 

 

 

 

 

2018/10/20

 

先日実施した実践が新聞に掲載されました。

 

「消費社会、英語で白熱討論。英国の高校生とテレビ会議」(10月21日朝刊 岐阜新聞 )

 

「ネット使い英語で議論」(10月21日朝刊 中日新聞)

 

またお読み頂けましたら有り難く存じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/10/18

 

本日は本年度から始まった研究プロジェクト(Refugee Education)の会議。ドイツ、スウェーデン、ハンガリー、オランダ、オーストラリアからも研究者が集まり、総勢10名のプロジェクトです。

 

本研究ではハンドブックを作成しますが、興味深かったのは会議の進め方。まず研究方法と研究の進め方を全体で議論し、本の目次を決めてゆきます。その際も、各自が進めている研究をお互いに出し合い、それを元にハンドブックの章立てを決めてゆきました。皆大学所属の研究者ですが、各自の関心はrefugee, social inclusin, business marketing, identity, language, citizenshipなど、若干の共通性はあるものの専門はバラバラ。しかし、会議はそれぞれの内容や方法を包摂する方略を検討するため、皆のモチベーションが自然と上がってゆきます。内容はもちろんですが、プロジェクトを進めてゆく手続きが大変勉強になりました。

 

 

 

 

 

2018/10/17

 

本日は、日本と英国をスカイプでつないだ同時授業を開催しました。授業者は岐阜大学附属中学校の矢島教諭。日本側は附属中と岐阜高校の合同チームで挑みました。テーマは消費社会。日英の生徒が問いを立て、それを皆で探究する授業でした。

 

消費を物質主義の観点からネガティブに捉えている英国の生徒に対し、それを資本主義・環境問題・自由と制限など、理論的な側面から考えている日本の生徒。議論を戦わせました。

 

特に、消費経済が生み出す格差の捉え方については意見が対立。国連や政府の介入による是正を主張する日本側に対し、英国側はそれを理想主義だと一刀両断。議論が白熱していきました。

 

このような議論は、各々が前提としている価値観や思想をあぶり出します。生徒だけでなく、教師によっても有益なプロジェクトだと考えています。引き続き、実践したいと思います。関係の先生方、連日のご準備で大変だったと思います。しかし素晴らしい授業となりましたこと、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。またやりましょう!(セキュリティーの関係から英国の写真の掲載が出来ないため、日本側の様子を添付しました)

 

 

 

 

2018/10/15

 

中等学校で英語(日本的には国語)の授業を見学。ある物語を読み、文章の構成を分析する授業でした。

 

授業は、「1:作者はなぜ、この箇所に緊張感のある状況を作り出したのか?。2:この構成に賛成もしくは反対か?。3:自身であればどのような構成を設定するか?。」という問いが設定され、各々が考える授業。生徒は自由に物語を「改変」し、自身の「物語」を発表しておりました。

 

論理性と批判力を問う課題で、私が想定していた国語や読解の授業とは全く異なるものでした。後で授業担当者と話をすると、当該の教科はリテラシー育成が目標とのこと。とても興味深く拝見しました。(授業の撮影は出来ませんので、写真は私がよく仕事をするカフェです)

 

 

 

 

2018/10/13

 

先日は、来週日英で行う同時中継授業の打ち合わせ。試験的に英国と日本をテレビ電話でつなぎ、接続確認、教員間の自己紹介、当日の流れに関する打ち合わせを実施。全て問題なく、順調に進みました。

 

日本側は当日に備えて複数回の事前勉強会を実施頂いております。英国側も本打ち合わせ終了後、事前勉強会を行いました。消費社会(論)のテーマで「人々の消費活動が(ベストではない)資本主義を下支えている可能性がある」「本当に消費は希望なのか」など、様々な論点で議論を行いました。

 

非常に面白い授業になりそうで、ワクワクしております。関係者の先生方、引き続きどうかよろしくお願い申し上げます。刺激的な授業にいたしましょう!

 

 

 

 

 

2018/10/11

 

リーズの中等学校で歴史(中学2年生)の授業を見学。今回は2人の教員が同じ単元をどのようにデザインするかを検討しました。

 

テーマは国際連盟。一人は第二次エチオピア戦争を事例に、当時の社会状況をエンパシーを軸に分析する授業でした。もう一方は、国連の機関を複数設定し、各機関の機能をジグソー法を用いて分析する授業。同じ単元・教科書を用いましたが、全く異なる授業が展開されました。

 

授業の内容はもちろんですが、特に興味深いのは、このような 多様性が認められていること。当該の学校は教科部会で教科の目標を設定・共有します。しかし、授業は教師が自身の観点から比較的自由にカリキュラムを作り、実施。また、教師はそれが出来ることが求められています。教師教育の観点からも大変面白い事例です。引き続き、調査を進めたいと思います。

 

 

 

 

2018/10/9

 

諸事情があり、自身でインタビュー動画を撮影。ただ、カメラに向かって話すことが難しく、かなり難儀しました。サテライト授業など、カメラに向かって授業や話をする際の苦労話をよく聞きますが、それを実感。語る相手がいる楽しさとありがたさを感じました。

 

撮影中は色々な方にその姿を目撃されました。そのため研究室へ戻った際には多数の方から「何やってたの?」との質問。なかなか恥ずかしい体験でした。

 

 

 

 

 

2018/10/5

 

以下の日程で、岐阜高校・岐阜大学附属中学校と英国の中等学校をスカイプで繋いだ同時中継授業を行います。テーマは消費社会論。日本と英国の生徒が同じ論題で議論を行います。

 

10月17日 17:00-  @岐阜高校

 

本日は日本側の打ち合わせ。私は参加出来ませんでしたが、附属は前田先生・矢島先生、岐阜高校は三浦先生他数名の先生方が綿密に打ち合わせを行ってくださいました。

 

開催まで残り少なくなってまいりました。関係者のみなさん、面白いイベントにいたしましょう!

なお、当日の参観も可能です。ご関心をお持ちのかたは私までメールでご一報頂けましたら幸いです。詳細な情報をお伝えさせて頂きます。

 

 

 

 

2018/10/4

 

日本から来てくださった研究者の一人は、福井大学の橋本先生。以下の「お土産」を頂きました。

 

橋本康弘編「高校社会『公共』の授業を創る」明治図書、2018

 

本書では、議論をする力、合意形成、社会参画、外部連携、中学校との連携など、多数の重要なキーワードを整理されておられます。その上で、司法参加、公正な世論の形成、職業選択、協働、地域創造など、一般的には難しいテーマをわかりやすいロジックで整理し、具体的な指導案の形で提案されておられます。今後、「公共」の授業を考える上で重要な一冊となることと思います。ご関心のある方は、ぜひお手にとっていただければと思います。橋本先生、ありがとうございました。

 

 

 

2018/10/2

 

日本から研究者の方々が来てくださりました。出張中は学校での授業見学を含め、様々な会議を行います。

 

本日はイタリア料理を食べながら、明日からのスケジュール調整。久しぶりに日本の風を感じつつ、楽しい時間でした。

 

 

 

 

 

 

 

2018/10/1

 

先日はメガネを新調。日本と異なる環境に不安を覚えつつ近所の眼鏡屋へ。しかし、検眼や診察を含め(予想に反して)全てが迅速かつ非常に丁寧。結果的に日本で作っていたメガネよりも良いものが出来ました。

 

少し前に近所の美容室へ行きましたが、こちらも同様。不安からハサミの使い方やカット方法など全てこちらで指定をしましたが必要ありませんでした(以前、高校で理容法規を担当していたことがあり、一定の知識はあります)。初めて体験するカット方法までも披露頂き、終始気持ちの良い時間。技術の高さに驚かされました。

 

期待値の関係もあるかもしれませんが、予想を裏切る快適さに驚きを覚えました。引き続き、経験を積み重ねて参りたいと思います。

 

 

 

 

2018/9/26

 

現在、リーズの中等学校の社会系教科のカリキュラム作りに関わらせて頂いております。先日は先行して行なっている歴史の授業(9時間構成)の進捗報告と打ち合わせでした。

 

この授業では、9時間かけて自身の歴史解釈を作り出すカリキュラムを実施しています。ただ、歴史だけでは行わず、そこにリテラシーや読解も含み込むクロスカリキュラム的なスタンスです。歴史解釈を作り出す授業は、英国では一般的です。ただ、そこへ「ちょっとしたスパイス」を入れ込み、ちょっと複雑な授業を展開。ワークシートを皆で作り、それをベースに授業を進めています。またどこかでご報告をいたします。

 

このプロジェクトは2名の歴史教師と共に進めていますが、私を含めて度々授業論で議論になります。ただ、破壊的批判ではなく建設的にそれらをうまく融合してゆく議論。それが、3人が想像していない地点にたどり着くこともあります。授業自体は指導案ベースでは行わないため、毎回生き物のように変化しています。とても刺激的な展開になりそうです。(写真は学校近隣の風景です)

 

 

 

 

2018/9/24

 

今朝のリーズの気温は6度。街には半袖の人もみられますが、私はコートを着て動いています。

 

大学にはバーがあります。学生もたくさん集っていますが、飲み物片手に会議を行っている研究者の方々も目立ちます。

私は研究室や図書館、カフェなど色々なところで仕事をしますが、このバーもその一つ。本日は差し迫った英語論文を執筆しています。雰囲気の良い場所です。

 

 

 

 

 

2018/9/23

 

研究生の応募が多数届いております。しかしながら、書類の不備が目立ちます。本研究室で研究生を希望される方は、必ず以下を確認し、必要書類をお送りください。

 

https://www.nobolta.com/research-students/

 

書類を拝読させて頂き、Skype等による面接を実施致します。なお、講義・演習の基本言語は英語と日本語ですが、本研究室では多数の日本語文献・資料を分析してまいります。ご応募される方はご承知おきください。

 

 

 

 

 

 

2018/9/19

 

11月中旬にオーストリアで学会があります。7月頃に発表申し込みを行なっておりましたが、この度(忘れていた頃に)採択の通知。しかし、どうやら9月末日までに4000ワードの原稿を提出する必要があるとのことです。

 

今回は、米国の研究者と進めている共同研究(社会と教育の関係を研究方法論的に検討するもの)の成果の一部を発表する予定です。まだ整っていないものが多くあり、急遽当該の研究者と連絡を取り合っています。飛び込んできた(忘れていた?)仕事ですが、productiveな仕事です。楽しみたいと思います。

 

 

 

 

2018/9/18

 

新学期が始まりました。キャンパスにも活気が蘇り、教員らも大学へ戻ってまいりました。こちらの教員の勤務形態は多様で、10ヶ月契約の教員も相当数おられます。その場合、(給料は出ませんが)夏の期間は完全なオフ。数週間のsummer vacationへ出かける方も多い様です。

 

岐阜大学も同様ですが、新年度のはじめは部活やサークル等の勧誘も活気付き、学内の雰囲気は特別な空気感に包まれます。

私も勧誘されるかどうか、昼食時はキャンパス内をうろうろしてみたいと思います 

 

 

 

 

2018/9/16

 

現在英国で借りているマンションは11階建。エレベーターが2基あります。1基は故障(?)で2014年から2019年まで稼働出来ないとのこと。しかし、先週残りの1基が故障し、修理に最低でも3週間から6週間はかかるとの通知。外出の際には住民皆が階段移動をせざるおえない環境となりました。(その結果、持ち運びが困難なベビーカーなどは1階部分に放置されている状況となっています)

 

これを受け、マンション住民による組合(日本流に言えば)が立ち上がり、管理業者へ異議申立てをするとのこと。ただ、組合の加入条件は部屋のオーナーであるため、私のような賃貸入居者はその対象外です(しかし、住民の半数は賃貸入居者です)

 

こちらでは様々な局面で交渉が求められます。列車で予約した自分の席が他人に占拠されていた場合でも、座席を取り戻すための交渉が必要です。今回の事案は、住民の日常生活に大きな影響を与えており、同様の被害を被っているが、しかし「声を発することができない立場」で出来ることを考える必要があります。なかなかスリリングな体験です。

 

 

 

 

 

 

2018/9/12

 

複数の原稿執筆から逃げるように学内を散歩。来週から始まる大学を前に、最後の静けさが広がっています。(写真はキャンパスの中庭です)

 

今日はブラジルから来ている二人のプロフェッサーと議論。テーマは「学校という政治的空間をどう捉えるか」。子どもが接する空間はデジタルを含めて無尽蔵に広がっています。そこへの本質的なコミットはおそらく不可能であることを前提とし、その上で空間を共有出来るコミュニティーへ変えてゆく必要があるのかないのか。個人的には、それは最低限にとどめるべきだと考えていますが、一方のプロフェッサーは広げる必要性を力説。コーヒー片手に論争となりました。リクールを応用する議論ですが、私の研究分野とも大きく重なり面白い議論でした。

 

さて、現実(原稿)に戻らないといけません。

 

 

 

 

2018/9/8

 

現在、シティズンシップの学会へ参加しております。学会開始は、写真のジャズバンドの演奏&全員でダンス。続いて学会長(歴史学のプロフェッサー)によるラップの挨拶。とても刺激的な学会です。

 

Prof. Alistair Rossが「我々のような(堅苦しい)タイプはマイノリティーだね」とおっしゃっていましたが、そう言うアリスターもTシャツ・サンダルで参加。私も極めてラフな格好での参加ですが、非常に居心地が良い空気感。新たな人間関係も出来、複数の研究プロジェクトへも参加することになりました。

 

昨晩はR&Bを聴きながら、political engagementの研究プロジェクトの打ち合わせ。この空気感が新しいアイデアを生むことを実感しています。

 


 

 

 

 

 

 

 

2018/9/6

 

学会(networking european citizenship education)でフランスのマルセイユに来ています。

 

学会のテーマは "Brave New Worlds?! The Future of Democracy and Citizenship Education"。ヨーロッパだけでなく、様々な地域から集まる学会で、今年の参加者は450名強。本学会は、研究者や教師だけでなく、画家やミュージシャンなどのアーティストも参加します。

 

citizenshipは学校だけで育成される(出来る)ものではありません。そのベースは社会です。本学会では様々な領域・立場から社会や市民を考えています。「厚い社会」をどのように構築してゆくか。楽しみながら考えたいと思います。

 

 

 

 

2018/9/4

 

近隣の駅から大学までは若干距離(バスで20分程度)があります。私はいつもスタッフ用のバスに乗り大学へ向かうのですが、このバス停が難しい。

 

駅にあるバス停の場所は(だいたい)固定されているのですが、キャンパス内のバス停は常にtemporary。不定期に場所が移動します。この移動は何も予告や告知は無く、写真の表示とともに「コソッと」移動。しかも、移動に法則性はなく、数十メートル(工事等も無いのに)同じ道路上で移動している場合もあれば、図書館(写真)を挟んで反対側の道路の場合もあります。

 

本日もまたバス停が移動していました。なんとも不思議なバス停です。

 

 

 

 

2018/9/3

 

先週末は、現在進めている英国の学校と日本の学校とのコラボ企画の打ち合わせ会議。こちらの学校と詳細な打ち合わせを行いました。結果、企画開催までの動き方が決まってまいりました。

 

まだ具体的な内容は公表出来ませんが、日英の学校をつないで社会問題を議論します。参観可能としたいと考えておりますので、公表ができる時期が来ましたら、このブログでもご案内をさせて頂きたいと思います。

 

刺激的なプロジェクトになりそうで、今からワクワクしております。関係の先生方、楽しいイベントにいたしましょう!(写真はこちらの学校で見かけた掲示物です)

 

 

 

 

 

2018/9/1

 

以下の論文が刊行されました。

 

「子どもが無意識に持つ『コモン・グッド』を暴き、分析する社会科」『社会科教育』明治図書、2018年9月号

 

コモン・グッドという言葉の考え方と、当該の概念が抱える課題と問題点を整理し、社会科への応用のあり方を検討しました。

 

「コモン・グッド」は関係概念です。国家・社会・地域・家族・友達・仲間・ジモト・学校など、何かとの関係の中で一定の見方が意図的に作り出されてきます。非常に面白く論争的な概念ですので、社会科のネタとしても有効です。是非、教材分析・解釈の観点として、試みて頂けたらと思います。

 

 

 

 

2018/8/29

 

本日はDBS(Disclosure and Barring Service)のインタビュー。学校調査に必要な手続きで、日本の倫理審査に該当するものです。必要書類はパスポート、BRP、日本の在職証明書、英国の在職証明書、学術振興会からの推薦状、英国の大学からの招聘状、クリミナル・レポート、英国の税金納付証明書、などなど・・・・。もちろん研究に関する書類も多数。非常に多くの書類とともに聞き取りが行われました。

 

ただ、大変有り難いことに、大学の事務の方も同席。一般的な手続きについては、事務的に進めてくれました。研究内容・方法を中心に行う日本の倫理審査と異なり、こちらのDBSは私の身分保障が中心。日々色々な方に助けて頂いていることを実感したインタビューでした。研究に努めたいと思います。

 

 

 

2018/8/27

 

先日は、現在ともに研究を行なっている共同研究者が住むグラスゴーへ。

 

7月にサッカーを用いた社会科授業をデザインしましたが、先行研究の一つはグラスゴーでのフィールドワークに基づくものでした。当該研究では、サッカーが地域の文化に根付いていること、またそれを通したアイデンティティーの形成が一定程度行われていることが論じられております。初めてグラスゴーを訪問しましたが、そのような空気感を感じることも出来ました。

 

イングランドとは全く異なる空気。天候にも恵まれ、有意義な1日を過ごすことが出来ました。

 

 

 

 

2018/8/20

 

以下の記事が中日新聞に掲載されました。

 

高校の新必修科目「公共」 社会問題「自分ごと」で議論 多様な意見知る・深まりどこまで(中日新聞 (2018年8月18日 朝刊)

 

過日、岐阜高校の三浦先生が公共を想定した授業を実践。その内容が掲載されております。私は授業の意義や、現代社会と公共の違いなどについて、コメントをさせていただきました。

 

高校新教科「公共」「政治経済」「倫理」は探究をベースとした教科。今にもまして色々な取り組みが可能となります。是非、多方面で様々な実践が展開されることを願っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/8/19

 

所用でヨーク大学へ。ヨーク大学は、私が10年前に客員研究員として勤務をしていた大学です。ロンドンからは電車で2時間から2時間半程度、現在勤務しているリーズからは電車で30分程度の距離にあります。

 

大学は現在休みの期間。リーズも同様ですが、新年度へ向けてキャンパス内の様々な場所で工事が行われています。しかしながら、写真の通り雰囲気のあるキャンパスは健在。気持ちの良い1日を過ごすことが出来ました。

 

 

 

 

 

2018/8/16

 

先日、友人がご家族で英国へ来てくれました。私が大阪に住んでいた頃の友人(パパ友)で、大阪を離れた今も、家族で交流のある方です。

 

この友人は、いわゆる「ものづくり」でご活躍の方で、日本だけでなくドイツやイタリアなどでも仕事をされておられます。全く異なる分野の方ですが、いつも大変な刺激を頂くことが出来ます。

 

お会い出来たのは少しの時間でしたが、久しぶりに感じた日本(大阪)の風。家族の話や大阪在住時代の昔話、変わらぬノリツッコミも合わせてとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。来て下さった●●さん、今度は大阪で会いましょう!(写真は、大阪に住んでいた頃に度々家族で遊びに行った海岸です)

 

 

 

 

 

2018/8/12

 

現在、英国の学校調査で求められるセキュリティー関連の資料を作成しています。日本的には「倫理審査」と言われているものです。

 

研究目的や対象、具体的な内容、成果公開の方法や時期など、かなり細かい事項を申請し、審査を受けます。大変な手続きではありますが、これは、論文でのデータ使用などの法的根拠となり、研究者を守る手続きの一つです曖昧な形で学校で調査を行い、そのデータを論文化してしまうと、たとえ学校名やプロトコルが匿名であったとしても、その論文が大きな問題となります。

 

日本でこの審査を経ておりましたが、認可証を5月に大学へ提出したところ、全て無効とのこと。やっとのこと2週間後に役所による聞き取り調査が確定。後手後手に回ってしまっておりますが、現在、その準備を行なっています。

 

最近、日本でも倫理審査委員会が立ち上がり、実証研究のための各種手続きが進められております。ただ、それらは(証明書こそ英語になっておりますが)あくまでも日本のスタンダード。国際基準で必要とされる要素や要件が整っておりません。日本でも国際的なスタンダードに基づいたものを構築する必要があると感じました。おそらく、海外で調査を行なっている研究者は、現状、私同様の手続きを複数回行わざるを得ないことと思います。この対応は、日本の役所・大学において必須だと感じています。

 

 

 

 

2018/8/7

 

先日はScience Museumへ。人文科学・社会科学・自然科学が非常にうまく融合し、一つの分野を様々な領域から考える展示となっておりました。観光目的でしたが、大変勉強になりました。

 

9年前、photo journalismを少しだけ研究しました。今回はベトナム戦争時に使用されていたleica M2と複数の写真が展示されており、写真と歴史叙述の関係を改めて考えさせられました。また時間をみつけて取り組んでみたいと思います。

 

 

 

 

2018/8/4

 

以下の書籍が刊行されました。

 

篠原清昭編『学校管理職養成講座』ミネルヴァ書房、2018

 

スクールリーダーシップ、学校改革、カリキュラム・マネジメント、学校評価、危機管理など、学校管理職向けの様々な領域が網羅されております。

 

私は「授業開発論」を執筆させていただきました。民主主義的学校を構築するために授業・子ども・学校を包括的に捉える授業論を提案しています。ご関心のある方は、ぜひお読み頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

2018/7/30

 

前田佳洋教諭(岐阜大学附属中学校)が実践した探究社会科の授業が、米国ハワイ大学のHPに掲載されました。

 

本授業は、歴史授業の最後の単元で行なったものです。授業で学んだ知識を活用し、WW2の原因と結果、現代社会における戦争の可能性などを対話により探究したものです。歴史を学ぶ意味を考える実践です。

 

岐阜の社会科実践が米国で取り上げられること、大変嬉しく思います。引き続き、グローバルの文脈でも注目される刺激的な実践が出来ればと思います。前田先生、まだまだ面白いことをやりましょう!

 

(元の記事は以下)

http://p4chawaii.org/students-at-gifu-university-affiliated-junior-high-school-experiment-with-p4chi/

 

 

 

 

2018/7/29

 

今年度、新たに科研(萌芽的研究)が採択されました。研究課題は「文化学習改革論研究」。2021年度までの3カ年の研究です。

 

伝統文化を含め、「文化」とされる対象を受容する文化学習ではなく、それらを原理的に批判・検討する学習を考えます。色々な研究を進めていますが、私の本丸の研究領域です。楽しみながら進めたいと思います。

 

 

 

 

 

 

2018/7/27

 

先日、英国へ戻ってまいりました。

 

日本滞在中は様々な企画や仕事があり、日本食を存分に味わいながら有意義な時間を過ごさせて頂きました。ただ、多くの友人や関係者を大きく振り回したことと思っています。関係の皆さんには心より感謝いたしております!

 

最後は都内で複数の会議があり、故郷の横浜へも少しだけ寄ることが出来ました。気温38度を超えた酷暑でしたが、綺麗な景色でした。

 

 

 

 

2018/7/26

 

21日に岐阜大学附属学校でp4cの国際シンポを開催いたしました。当日は午前中に小学校(浅野教諭)、中学校(前田教諭)のp4c社会科実践を行い、午後は分科会とシンポジウム(ハワイ大学のamber先生、新潟大学の豊田先生、田中が登壇)。全国から100名程度の参加があり、大変盛況となりました。

 

小学校のテーマは男女平等。中学校のテーマは憲法。それぞれ子ども達が問いを立て、そのテーマを探究しました。一部で誤解もあるようですが、p4cは反知性主義ではありません。討議的民主主義を基盤とした教育の原理です。午後のシンポでもそのあたりが一つの論点となり、今後の社会科教育研究を考えても、重要な取り組みになったことと確信しました。関係者の方々、お疲れ様でした!!

 

 

 

 

2018/7/23

 

先日は、愛知県知立東高校で行われた「まちづくりカフェ」へ参加させていただきました。増井強志教諭がファシリテートを行う哲学カフェ。私は役所の方とともに、参加者として関わらせて頂きました。

 

テーマは「まちづくり」。学校がある知立や近隣の安城、岡崎など、複数の場所を事例に皆でゆるく語り合いました。

 

増井先生は、授業の時とは大きく雰囲気を変え、皆から意見を引き出すべく雑談・個人的経験・ジョークを含め、私も見たことも無いフランクな関わり方をされておられました。とても勉強になる場・空間で、今後が楽しみなカフェでした。

 

 

 

 

2018/7/19

 

先日は、愛知県内の高校で社会科の実践を行いました。テーマは音楽から見える社会。私が授業をデザインし、高校教員にそれを修正・アレンジして頂きながら、完成させました。本教員は、以前愛知県内の研究会でお声がけを頂き、それがきっかけで今回の共同研究に至りました。

 

Radwimpsや岡崎体育の音楽を用いて、社会を分析する。内容はまた別の機会に報告を致しますが、大変面白い授業が展開出来ました。

 

カリキュラム・マネジメントの観点からも、このようなコラボ研究は重要だと思っています。私自身も毎回いろいろなことを教えて頂き、その度に大変勉強になります。今回も、子どもの関心を授業へ取り込む考え方、子どもの考えるプロセスの設計など、多くを学ぶことが出来ました。引き続き、取り組んでいきたいと思います。当該の先生は通常の勤務にプラスアルファで大変だったことと思います。お礼旁々、心より感謝申し上げます。ありがとうございました!

 

 

 

 

2018/7/18

 

現在、米国ハワイから研究者を招聘しています。本日は岐阜県白川郷にある義務教育学校白川郷学園でp4cの授業を実施し、共に参観をさせて頂きました。

 

授業の実践者は高木良太教諭。2年前まで附属小学校へおられた先生です。食料自給率の低下について、子どもが問いをたて、それを探究する授業を展開されました。探究は、その土地や地域性(私の言葉でいうと文化)が大きく影響します。今回も白川郷の立地や自然環境、子どもの社会文化的環境が大きく作用し、岐阜市内や都内で行うp4cとは異なる展開で、大変興味深く拝見いたしました。

 

21日には、附属小学校・中学校で国際シンポを開催いたします。その際にはp4cの授業見学、及びハワイの研究者の講演もございます。ご関心のある方は是非お越しいただけましたら幸いです。

 

 

 

 

2018/7/17

 

本日は附属中学校でスポーツを事例に実践を行いました。授業者は矢島徳宗教諭。2時間の授業を行いました。

 

スポーツは政治です。今回は、スポーツが持つ経済的機能と思想的機能を中心に、「W杯へ期待しているのは誰か」というMQを軸に、この度のサッカーW杯をナナメに分析。附属中学校の矢島先生、前田先生から岐阜のデニーズでアドバイスをいただきながら、授業を作りました。

 

スポーツが持つ政治性については、9年ほど前から大学の講義で分析をしています。ただ、中学校版は今回初でした。矢島先生の絶妙な授業展開の中で、生徒らは多様な視点からスポーツを分析。面白い授業が展開できました。

 

 

 

 

2018/7/16

 

この数日間は岐阜大学で集中講義(社会科教育法4)を行いました。

 

本講義は、4つある社会科教育法の最後の講義。発展的な位置付けとなります。講義では、授業の類型論の検討、文化を用いた授業論、最後は添付の通り「公共」をターゲットに授業をデザイン、冊子化し、それをもとに皆で批判検討を行いました。 

 

日本に一時帰国し、連日の猛暑に若干滅入っております。しかしながら、全ての講義で欠席者はゼロ。せっかくの3連休に参加をしてくれた皆さんにとって、少しでも中身のある内容になっていることを願っています。参加してくれた学生の皆さん、お疲れ様でした。

 

 

 

 

2018/7/11

 

以下の日程で研究実践を行います。

 

場所:岐阜高校 

日時:7月13日

   1時間目 8:45~9:45
   2時間目 9:55~10:55

内容:経済学習における探究実践

授業者:三浦寛之 教諭

 

高等学校の新学習指導要領を射程とした授業実践です。教師が問いを設定し、そのレールの上で授業を展開するのではなく、生徒の探究をベースとした授業を行います。高校生を対象とした社会科探究学習はどのようにデザインし、どう展開をするのか。その一つの事例を提案いたします。

 

本日一時帰国をしたため直前のご案内となり恐縮ですが、ご関心のある方は是非ご参観をいただけましたら幸いです。なお、参観ご希望の際は岐阜高校三浦教諭、もしくは私まで事前にご一報をお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

2018/7/9

 

国際シンポジウムを開催いたします。

 

日時:7月21日 10:00-16:00

場所:岐阜大学附属学校

テーマ:p4cは主体的・対話的で深い学びにこたえられるか?ー社会科教育研究と実践からー

内容:授業見学(小・中学校)、およびシンポジウム

 

小中学校でp4cの公開授業を行い、それに基づいてシンポジウムを行います。p4cの専門家であるAmber Makaiau先生も来日されます。私も帰国し、参加をいたします。ご関心のある方は、ぜひお越しをいただけましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/7/6

 

ここ数日は大学のオープンキャンパス。大型バスが連日大学にとまっております。

 

興味深いのは、参加者には小学生や中学生も多いこと。本学では、大学教員の「ミニ講義」もありますが、図書館にある資料を用いたちょっとした「文献調査」、競技場を使ったレクリエーションなども行われています。小中学生の多くはそれらの活動プログラムへ参加している様です。小学生の段階から大学のアカデミクスに触れることはとても良いですね。

 

高校生の参加者は保護者とともに参加をしていることが多い様です。この辺りは日本と変わらない様子です。「本気で」色々な質問をしている保護者の様子がいたる所で見られました。

 

 

 

2018/7/4

 

過日、リーズの中等学校へ共同研究の申請を致しましたが、校長からOKの通知。「試験結果を待つ」イメージで、ここ数週間ドキドキしておりましたが、フィールド調査の実施が可能となりました。かなり多くの資料を作成し、何度もプレゼンを繰り返しましたので嬉しい通知でした。

 

こちらは全て契約が必要です。データの使用方法が限定されること、調査は私個人のみで如何なる同行者も不可であることなど、いつくか条件があります。ただ、1年間は学校へフリーパス。参観だけでなくいろいろな活動が可能となりました。

 

今回は学校の社会系カリキュラム作りへ私も参画をさせて頂きます。早速複数の教員と共に調査の年間計画の策定に入りました。いろいろな仕掛けを試みたいと思います。

 

 

 

 

2018/7/3

 

研究室の引越し。こちらは年度が変わる時、度々研究室の引越しや入れ替えがあるそうです。ちょうど建物の改装工事と重なっており、私も移動の対象でした。

 

研究室生活が落ち着いて来たところでの引越しに躊躇しましたが、移動先は窓から大学のフィールドトラックや庭が見える気持ちの良い部屋。外を眺めつつ、仕事がはかどりそうです。

 

 

 

 

 

2018/7/2

 

本日は、教育政策に関する聞き取り調査。イングランドの学校では、近年様々な授業理論や方法が取り入れられ、大学と民間団体などが共同でその成果を検証しています。本日は、イングランドの教育政策へ大きな影響を与えている某民間団体へその方法論や実態、学校との関係づくりの方略などを伺いました。非常に有益な情報と議論が出来ましたので、またどこかで報告をしたいと思います。

 

会議は、オックスフォードにある写真のカフェにて実施。先方に教えていただいた雰囲気の良いカフェです。長時間のインタビューではありましたが、リラックスした空気感で和やかに行うことができました。

 

 

 

 

2018/6/28

 

先日は、別の中等学校にて調査プロジェクトの研究へ参加。1日をかけて行われた歴史授業へ参加し、部分的にファシリテートをさせて頂きました。

 

こちらの学校ではエンパシーを軸とした歴史実践を展開。当時の歴史・社会・文化的状況を踏まえた上で、当時の人々の価値観や感情を捉えた上で、歴史像を構築します。写真は生徒が抽出した感情のリスト。同じ歴史(データ)でも、生徒が持つ社会文化的背景によってデータの捉え方は大きく異なることがわかりました。面白い授業でした。

 

 

 

 

2018/6/26

 

本日はリーズにある中等学校の研究プロジェクトへ参加。グループ活動が個々人の知識やスキルの発達へ与える影響を調査しています。

 

本日は終日歴史の授業。ターゲットとなる時代を教科書で一定程度捉えた後、グラフィック・アーティストとコラボし、当該時代の支配層と被支配層の関係をグループ各々映像アニメーションで表現します。各グループでは、様々な主体(動物を含む)を取り上げ、当時の関係性を表現していました。「表現する歴史授業」は色々と議論が分かれる学びではありますが、非常に挑戦的かつ刺激的な歴史授業でした。

 

 

 

 

2018/6/24

 

週末は、少し遠出をしてnorthamptonへ。街の中心には複数のサッカーコート、バスケットコートなどを併設した大きな公園(元競馬場で、その後処刑場になるなど多くの歴史を背負った場所)があり、広大な敷地が広がっていました。

 

さて、世間はサッカーW杯。英国はfootballが国民的スポーツですので、連日盛り上がりを見せています。多くの場所で国旗が掲げられています。

 

私は9年程前からサッカーと社会の関係の分析を試みています。特にサッカーが持つ思想的機能として、再「国境化」の問題を大学の授業でも扱っています。https://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/media/140802.html

(2014年にこの研究で毎日新聞よりインタビューを受けました。ご関心のある方は是非お読み頂けましたら幸いです)

 

本件、上記インタビューの枠組みで社会学的に一定程度説明がつくのですが、最近の(特に10代から30代あたりの世代の)実態としては異なるかもしれません。W杯での日本の活躍について応援の趣旨でよく街で声をかけられ、新たに考え直しています。7月に一時帰国をした際にサッカーを用いた授業を行う予定です。引き続き聞き取り調査をしてみたいと思います。

 

 

 

 

2018/6/18

 

本日はリーズにある中等学校で教員向けのセミナーを担当致しました。現職教師向けのトレーニング講座(教師教育セミナー)です。

 

テーマはdialogue in classroomと設定。所属大学の教員と共に二人で90分のセミナーを行いました。内容は、まずdialogueを軸とした問いと展開を実際に体験してもらい、それを共にデューイやリップマンらの思想を説明。その後、ディスカッション。演習の中でdialogueの考え方を捉えるセミナーとしました。

 

社会科学系の教員は興味を持ってくれ、来週実際にチャレンジするとのこと。ただ、自然科学系の方々が(私は自然科学の方が適していると思っているのですが)正解をどのように捉えたら良いか、テスト対策との関わりなどについて質問をされました。出てきた質問は、大体が日本と同様のもの。ディシプリンの扱い方が、主な議論でした。私自身、こちらの教員の考え方や関心を知ることができ、とても興味深いセミナーとなりました。

 

 

 

 

2018/6/17

 

先日は学会(International Conference for Education and Democratic Citizenship)へ参加。

 

様々な発表がありましたが、今年は移民や難民を教育の側面から考えるものが多数ありました。学校で包摂の問題をどう捉えるのか。中でも、メディア・ポリティスクとの関係で学校や授業は何ができるのか。ドイツやイタリア、フランスなどでの事例が多く取り上げられていました。

 

10年以上前から包摂は論点の一つですが、メディア・ポリティスクが闊歩する中、学校の「危機」(ハーバーマス的な意味での)が少しずつ変わってきていることを実感しました。大変勉強になりました。

(写真はRoss先生の発表。研究方法が微妙に変化しており、その点でも興味深く拝聴しました)

 

 

 

2018/6/13

 

色々な仕事が立て込み、昨晩は自宅へ戻ることが出来ず。しかし、こちらは夜10時半頃まで明るく、朝も4時過ぎには日が出てまいります。時間の感覚が変わってきます。写真は朝のキャンパスです。

 

岐阜大学附属中は週末が研究発表会。先日、中学校の先生から日を変えて2度ほどお電話をいただきましたが、両日ともに日本は夜中の時間帯。皆さん深夜まで頑張っておられる様子でした。私も負けずに頑張りたいと思います。

 

 

 

 

 

2018/6/10

 

自宅に帰ると、羊羹が。

ロンドンは多くの場所で日本の食材や食べ物を買うことができます。ただ、なかなか写真のようなものを買う機会はありません。

 

色々と交渉を続けてきた「住宅問題」も、だんだんと落ち着いてきました(まだ全てが修理されたわけではありません)。日本の住環境に思いを馳せながら、日本のお菓子を大事に頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

2018/6/7

 

本日は、私と同じ立場でブラジルの大学から来られている研究者の方が遊びに来てくれました。(同じ立場と言っても、先方はvisiting professorで、私はvisiting associate professorですが、、、)

 

議論のテーマはガタリ。意識の排除の問題を、学校教育の中でどう捉えるか。特に難民申請と難民の受け入れを生徒はどのように考え、それを社会(教科ではなく現実社会)の枠組みの中でどう整理するのか。彼のバックグランドは社会学。私の関心とも大きく重なり、面白い議論でした。

 

 

 

 

2018/6/5

 

p4cやります。

 

以下の日程で岐阜大学教育学部附属中学校で中間研究会を行います。

 

6月16日(土):8:30-12:30

https://www.fuzoku.gifu-u.ac.jp/chu/topics/file/kenkyukai30_1.pdf

(詳細はリンクをご確認下さい)

 

研究テーマは「ともに生きる社会を創造する生徒の育成」。今回は2つの研究授業、両方でphilosophy for chilrenを用いた対話の実践を行います。公開授業1は矢島教諭(人権と共生社会)、公開授業2は前田教諭(江戸幕府の成立と鎖国)です。社会科における探究学習はどう取り組むべきか。子どもの探究を基盤とした学びをどうデザインするのか。その一つのあり方として、具体的な授業で提案を致します。是非、ご参観頂き、批判検討をいただけましたら幸いです。(なお、私はおりませんので、私へのご意見はメールでお願いします)

 

 

 

2018/6/2

 

まだ日によって寒いですが、こちらも段々と暖かい日が増えてまいりました。先日の最高気温は13度。コートを着ておりましたが、本日は20度を超えています。

 

近所には芸術系の大学があり、屋外に"Reading Room"を見つけました。良い雰囲気です。

 

 

 

 

 

 

 

2018/5/27

 

米国のNCSS(National Council for the Social Studies)の関連学会の査読を行いました。今年は8本。数年前から査読委員を務めており、今年も担当をさせて頂きました。

 

この学会の査読は、必ずしも専門領域のものが回ってくるとは限りません。今回も対象国を含めて多様な領域と内容のものがあり、それぞれ自身で先行研究を調べ、それらと比較し、研究の方法と内容を検討する必要があります。日本国内の論文の査読よりも、一本あたりにかける時間が多くなってしまうためなかなか大変な作業ですが、面白くもあります。

 

ただ、毎回思うことは、研究方法論の不備です。もちろん、多くはしっかりとしたmethodを踏まえたものですが、中にはそれらを踏まえない我流のものもあります。日本国内の研究同様、改めて考えさせられる機会ともなりました。今回も勉強をさせて頂きました。

 

 

 

 

 

2018/5/23

 

本日は研究打ち合わせ。大学内のカフェで行いました。ここ数年、特定の学校へ入らせていただき、継続調査を行なっています。その進捗の報告と合わせて、今後の進め方を議論しました。

 

英国では、調査を行うための手続きがかなり煩雑です。全ての書類を大学の倫理審査委員会(日本的に言えば)を通し、対象学校の管理職向けに書類作成、説明、納得をしていただく必要があります。その際は先方のメリットを説明することはもちろん、お金も必要です。本日は新学期の10月から引き続き調査を受け入れて頂くための戦略を練りました。打ち合わせの中で新しいアイデアも出てまいります。良い打ち合わせでした。

 

 

 

 

2018/5/21

 

ここ数日、仕事が立て込み睡眠時間が非常に短い日が続いています。ただ、外は大変良い気候。晴れた日は夜10時頃まで空は明るく、日照時間が長くなってまいりました。(写真は夜9時半過ぎの空)

 

出来るだけ外へ出たいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/5/16

 

本日は(日本的な表現では)講座会議。教育学部の中は学部は6つ、修士は22のコースがあり、大きくは学校教育系と教師教育系の2つに分かれます。今日は学校教育系の会議でした。議題はかなりたくさんありましたが、1時間で終了。皆が発言をしますが、議題の論点からズレた意見は全く取り上げられず、合理的に会議が進んでいきました。ある意味痛快で、興味深い会議の展開でした。

 

さて、こちらで提供されているパソコンはwindows。私は2005年からmacへ完全に切り替えてしまったため、使い方がよくわかりません。会議資料や講義の連絡などは全て共有フォルダーで管理されているため、毎回なかなか大変です。データの管理もmacとリンク出来るクラウドを駆使してなんとか乗り切っている状況です。13年間のブランクを埋めるにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

 

 

 

2018/5/11

 

研究室で仕事をしていると、多くの方が声を掛けに来てくれます。木曜日と金曜日だけで、のべ二桁の方が遊びに(?)来てくれました。

 

異なる専門領域の方との対話は勉強になり大変有り難いことですが、抱えている仕事(雑務?)に専念をするため金曜は夕方から図書館へ避難。

 

大学はキャンパスがリーズ市内と市外に2つあり、両キャンパスに図書館があります。図書館は基本的に356日・24時間開館しており、とても助かります。夕方から市内の図書館へ移動。集中して雑務(仕事?)をこなすことができました。

 

 

 

 

2018/5/7

 

日本はGWでしたが、英国では平日が続く通常のカレンダーです。唯一本日(7日の月曜日)だけが祝日(Bank Holiday)。ここ数日、街では国旗がいたるところに掲げられています。私としては違和感を覚えなくも無い光景ですが、その様は圧巻です。

 

私は大学の図書館で終わらない論文を執筆。。。街は祝日ムードですが、大学図書館は満席です。祝日も仕事をする同志や学生で溢れています。終日時間が取れる貴重な日ですので、本日も仕事に努めたいと思います。。。

 

 

 

 

 

2018/5/5

 

先日は、町の市議会議員選挙でした11名から3名を選出するものでしたが、現職を含めて保守党から3名が選出。投票総数全体の54.3%を集めました。労働党もかなり近くまで票を伸ばしましたが、及びませんでした。

 

ブレクジットの関係もありますが、死票が特定の政党へ集中している現状を見ると、色々と考えさせられる結果です。なお、投票率は41.3%。前回が38.5%でしたので若干持ち直したようです。

 

写真は投票所(polling station)。よく晴れた平日でした。

 

 

 

 

 

 

2018/5/3

 

本日(木曜日、平日!)は私が住んでいる町の市議会議員選挙。11人の立候補者から3人が選出されます。立候補者は労働党3名、自由民主党3名、保守党3名、緑の党1名、イギリス独立党1名です。

 

各候補ともに、今までの実績とマニフェストを合わせて提示。そのほとんどが主にウェブサイトにて公開されております。日本同様、論点は似通っているのですが、その対策がかなり異なります。特徴的な点は、マニフェストがかなり具体的なこと。今回、私の住んでいる街は警察署の閉鎖が大きなイシュー。これにどのように立ち向かうか、各候補者が政策を戦わせています。

 

ただ、日本の一部でみられるようなone issueでの戦いではありません。各候補ともに複数の政策を打ち出しています。複数のissueを同時に分析し、折り合いをつけて一人を選択する。今回の11候補のマニフェストは、そのまま授業でも使えそうです。注視してみたいと思います。

 

 

 

 

 

2018/5/1

 

先日は、ヨーク大学で行われた以下のセミナーへ参加。

 

Democratic Devolution: Youth Citizenship in the Wake of Brexit

Dr Andrew Mycock,Reader in Politics at Huddersfield

 

政治学者の視点から、英国(主にマンチェスター)における若者の政治参加の現状を整理され、民主主義から離脱する若者の状況を発表されました。自身が関わっている若者によるマニフェスト作成プロジェクトについての紹介もあり、刺激的でした。

 

少人数のセミナーなので議論が中心です。私が主催しているDiscuss Our Societyについても紹介をしましたが、新しいアイデアも浮かんできました。面白いセミナーでした。

 

 

 

 

 

2018/4/29

 

以下の記事が掲載されました。

 

「『考える社会科』はじめの一歩-批判的思考を養う第一手- 『批判』を教えるか、批判的に思考するか?」『社会科教育』明治図書、2018年5月号、pp.26-29

 

「批判的思考」を情報として教える授業ではなく、批判的に思考するための授業のあり方を具体的な事例を通して示しました。批判的思考を実態的に展開するにはどうしたらよいのか?またご関心があれば、お読み頂けましたら有り難く存じます。

 

なお、本号には東長良中学校の古田伸二先生も執筆をされています。過日、以下の雑誌に経済の授業を掲載頂いた先生です。合わせてご検討をいただけましたら幸いです。

http://www.kinyu-navi.jp/textbook/contents4/pdf/rainbownews-vol35.pdf  

 

 

 

2018/4/28

 

本日は土曜日。犬の散歩から1日がスタート。近所に公園があり、多くの犬が散歩に連れ出されています。こちらは大型犬を含めてリードに繋がないことが一般的の様で、我が小型犬にとっては危険です。慎重に散歩を致しました。

 

別件。先日、浴室の換気扇がガラガラと爆音を鳴らし始めました。カバーを外すと中には経年(表示によると恐らく10年)の埃やカビの塊が凝固し、モーターが動かないほどにこびりついています。ご近所迷惑になるほどけたたましい音で、その動画と汚れたモーターの写真と共に家主へ清掃依頼。現在家主と交渉中です。

 

毎回同様ですが、こちらでは責任の所在を明確にした上で、だれが費用を負担するのか、誰が誰へどのように修理依頼をするのかを交渉。その上ではじめて修理依頼、日程調整となります。今回も修理までかなりの時間を要する気配です。しばらく換気扇を回すことが出来ませんが、気長に進めたいと思います。。。

 

 

 

 

2018/4/26
 
本日は複数のミーティング。
その内の一つは幼児教育でした。以前勤務していた大学では当該領域の研究を若干しておりましたが、最近は離れていました。ただ、カリキュラム論としての議論はいずれも共通です。幼児と社会の関係を大学生が考えるための教員養成のあり方を議論しました。
その後は少しだけ写真の図書館へ。
日本から宿題として持ってきた原稿が遅々として進まずどうしたものか。。。継続的に努力したいと思います。

 

 

 

 

2018/4/24

 

先日は調べ物のためロンドン大学へ。

教育専門の図書館があるため、総合大学の図書館とは置いている文献の種類が違います。学校現場で実際に使われている教科書や教材、評価や試験に関する資料もあります。

 

出張中も度々訪問をしておりましたが、毎回の申請は大変ですので、英国の大学の在職証明を提出し、年間利用の申し込みを行いました。資料を漁りたいと思います。(手続きカウンターでの第一声、"Are you student?"と声をかけて頂きました。現職教員の確認であればteacher?と聞かれるはず。こちらは髭を蓄えたオッさんなのですが、英国では若く見える(?)のかもしれません)

 

 

 

 

 

2018/4/22

 

先日、無事引っ越しは完了しましたが、前の家主が十分なクリーニングをせずに退去しておりました。事前の約束としてはクリーニング済みのはずですので、契約不履行です。現在、家主と交渉を続けております。

 

「消費者市民として我々は何ができるのか・・」。最近は消費者教育について考えることも多いですが、こちらでは生活の中で実際の問題に向き合っています。メタ的・客観的では見えないことが、「自分ごと」として考えると見えてきます。デューイ的な社会科論の重要性を改めて感じています。

(写真は一部壊れていたIHの交換をお願いすべく、計測した写真です)

 

 

 

 

2018/4/18

 

先日、やっと引越しが完了いたしました。今回は大学ではなく民間の住宅を借りるのですが、英国では住宅を借りる手続きが煩雑です。雇用証明、給与証明、給与口座3ヶ月分の推移証明(英語)、英国の大学からの招聘状、その他整えなければならない証明書関係も多く、また英国の信用保証会社から大学へ連絡も入り、かなりの時間を要しました。

 

英国入国後、しばらくはホテル暮らし。生活だけでなく、仕事面でもネットワークが限られ、論文検索も十分に出来ない状況でした。色々と不便な環境でしたが、やっと住居が決まりました。生活を整えつつ、遅れている原稿に向き合いたいと思います。。。

 

 

 

 

2018/4/14

 

先日は、Biometric Residence Permitを取得しました。これは、英国に6ヶ月以上滞在する人に取得が義務付けられているもので、住民登録票のようなものになります。

 

取得のために、リーズとロンドンを往復。700キロ弱のドライブでしたが、こちらの高速は無料。私は慣れない英国での運転であまりスピードを出すことが出来ず、何度となく後ろから突かれましたが、比較的快適なドライブでした。ただ、英国のラウンドアバウト(環状交差点)はまだ慣れず、度々異なる出口に誘導されてしまいます。日々、練習をして参りたいと思います。

 

 

 

2018/4/12

 

昨年度に続き、総務省より主権者教育アドバイザーを拝命いたしました。

 

本年度は英国における政治教育等をできる範囲で収集し、還元出来るよう努めたいと思います。また、可能な範囲で岐阜の先生を中心に、引き続き面白いことが出来ればと思います。関係者の先生方、ご指導よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

2018/4/10

 

今回の渡英は大事な家族(犬)と一緒です。航空券代金は私の2倍。かなり痛い出費ではありますが、大事な家族です。

 

日本の空港で離れ離れになりましたが、各種検査を終え、無事英国ヒースロー空港でピックアップができました。

 

有意義な英国生活となりそうです。

 

 

 

 

 

 

2018/4/7

 

科研(国際共同研究加速基金)の採択を受け、4月より英国にて研究を進めることになりました。所属はLeeds Beckett University。期間は2018年4月より2019年3月までです。

 

先日、無事英国へ入国をいたしました。10年前、University of YorkにResearch fellowとして所属をしておりましたが、この10年間でVISA取得の方法を含め、様々な手続きに変更があり、この1ヶ月は手続きに翻弄されました。入国後もBRPの取得をはじめ、しばらくは身の回りの環境を整えることに時間がかかりそうです。辛抱強く努めたいと思います。

 

適宜、このブログでも生活や研究の進捗等を発信したいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。

 

 

 

2018/3/31

 

先日は岐阜高校でp4cの実践を行いました。実践のファシリテーターは三浦先生。今回は米国の研究者との共同研究で、同じ教材を用いて同様の授業を行いました。社会契約説、差別問題、キング牧師の資料・・・・など、多くの資料を読み込み、対話を行いました。

 

詳しくはまた別の機会に整理をしますが、今回は岐阜高校の複数の先生が対話の場に参加してくれました。もちろん、教師は生徒へ批判的に関わることで対話が進みます。しかし、基本的には生徒と教師が同じ目線で議論する。米国ではよく見る風景ですが、日本で行うと教師と生徒間に一定の権力関係が生まれてしまうことが多くあります。しかし、今回はそれを乗り越え、互いの立場や意見を尊重し、しかし批判的に掘り下げ深めてゆく素晴らしい空気感でした。

 

日本でも全国いくつかの学校で対話をベースとした実践が行われています。私も度々参観をさせていただいております。しかしながら、生徒と複数の教師が相互に織りなす対話の中でどんどんテーマが掘り下げられ、様々な価値観や視点が表出し、それを原理的に考える対話が展開した場は初めてでした。

 

この時期は春休み。それにも関わらず参加をしてくれた生徒の皆さん、および三浦先生をはじめ、岐阜高校の関係者の先生方に心よりお礼申し上げます。本当に素晴らしい時間でした!

 

 

 

 

2018/3/28

 

我がゼミ大学院生の加藤くんが無事、修了しました。彼の研究テーマは社会参加を軸とした社会科教育論。修論では、社会に提案・発信する社会科学習ではなく、社会と対話する学習論への転換を論じました。小中高で同じ実践を行い、現実社会を授業へ取り込む方法論を開発。本年度の社会系教科教育学会で発表。その他も色々と活躍をしてくれました。

 

本日は、大変素晴らしいプレゼントを頂きました。とってもおしゃれな傘、電車やバスで無くさず忘れぬよう、大事に使いたいと思います。

 

4月からは、名古屋市で小学校の教員となります。引き続き、頑張って欲しいと思います。

 

 

 

 

2018/3/27

 

以下の書籍が刊行されました。

 

「社会科教育学者が語る調停ー『調停教育に陥らないために』」『調停する力を引き出す道徳教育の展開』デザインエッグ社、2018

 

私は、社会科教育の立場から「調停」について書かせて頂きました。●●教育が多数語られている中で、カリキュラム論として「調停」をどのように扱えば良いのか。一つの提案をさせて頂きました。ご関心のある方はご一読を頂けましたら幸いです。

 

 

 

2017/3/26

 

先日は岐阜大学の卒業式でした。私は避けられない出張で参加が出来なかったのですが、我がゼミからも3名が卒業。4月からは大学院、および学校で活躍してくれることと思います。

 

1年間、ゼミ生とは色々な企画を行いました。Discuss Our Societyや、滝高校での実践(「笑いを科学する!」という社会科実践)をはじめ、ゼミ企画で様々な実践を行いました。特に、彼ら3人は3年生の講義(連日夜中までかかって授業デザインを行う重い(?)授業研究の講義)を履修してくれた時から深い関わりがあります。漫画を読みながら授業を作った記憶とともに、色々な思い出が蘇って来ます。

 

我がゼミは、卒業後も関わりが続きます。今後もいつでもゼミへ戻って来てほしいと思っています。卒業おめでとう!!

 

 

 

2018/3/22

 

科研の調査で英国へ来ております。今回のメインは、次々年度にEERA(European Educational Research Association)で予定している学会発表の準備です。学校へ継続的に調査へ入り込んでおり、こちらの研究者とその途中経過の報告と調整を行います。

 

本日は、ロンドンから1時間かけて、Stanmoreにある地域の図書館へ行きました。探している芸術教育の文献がここにしか所蔵されておらず、小旅行でした。初めて訪問した地域ですが、貴族が持っている土地が多く、ロンドンとは異なる雰囲気の街で興味深く散歩をいたしました。

 

 

 

 

2018/3/16

 

科研の調査でシンガポールに来ております。今回はシンガポールの政治教育についての聞き取り調査。昨年、全国社会科教育学会でアジアの政治教育に関するフォーラムを行いました。理論的には理解が出来ましたが、カリキュラムの実態を調査致します。

 

日本とは大きく社会的文脈が異なり、統合的な視点が重要になる場合のシティズンシップ育成。しっかりと勉強したいと思います。

 

 

 

 

 

2018/3/14

 

先日は主権者教育アドバイザーの会議でした。

本年度より主権者教育アドバイザー(総務省)を拝命しており、東京でその会議が開催されました。当日は明推協の全国フォーラム及び選挙出前授業見本市が行われており、同時開催で行われました。

 

私は午前中に大学で仕事があったため会議のみの参加。会議では全国で様々に行われている主権者教育実践の状況を伺うことができ、有意義な会でした。

 

全国フォーラム2日目には、我がゼミの小栗君が300名程度(?)の参加者の前で講演!是非聞きたいところでしたが、別の出張があるため参加ができませんでした。ゼミ生が様々な場面で活躍している姿に嬉しく思っております。

 

 

 

2018/3/11

 

先日は日米の中学校を遠隔システムで結び、対話を基にした社会科授業をおこないました。問いを日米の生徒が立て、それを探究します。テーマはグローバリゼーションでしたが、産業革命前後の生活の変容や、「幸せ」の定義や考え方へと議論は展開。双方の生徒は、互いが持っていた完全に異なる価値観に触れ、刺激的な議論でした。

 

遠隔システムを用いて海外の学校と繋げる実践は、2017年11月に英国と行い、今回が2回目でした。システム的には整ってまいりましたが、2回の実践から教育としての課題がいくつか見えてまいりました。次年度も同様の取り組みを行いますので、それらを克服し、さらに面白いものへと昇華してまいりたいと思います。

 

授業者の前田先生、お疲れ様でした!また、多大なるサポートをして頂きました矢島先生、英語科の先生方、また管理職の先生方に深くお礼申し上げます。

 

 

 

 

2018/3/7

 

以下の日程で、米国と日本の学校を繋いだ社会科授業を行います。

 

日時:3月9日  7:30−8:30(朝です)

場所:岐阜大学附属中学校  LL教室

実践者:前田佳洋 教諭

 

テーマはグローバリゼーション。思想としてのグローバリズムを両国の生徒が対話を通して読み解きます。時差の関係から早朝の実施ですが、ご関心のある方は是非ご参観下さい。

(ご参観頂けます場合は、事前に私か附属中学校へご連絡を頂けましたら幸いです)

本日はその打ち合わせをSkypeで行いました。Excitedな実践になりそうです。

 

 

 

2018/3/5

 

先日は広島大学で開催されたシンポ「教育学研究者と教師教育者のアイデンティティー」にて発表を行いました。岡田先生(聖徳大学)、堀田先生(国研)、村井先生(静岡大学)、渡邊先生(日本女子大学)、田口先生(鹿児島大学)とのコラボ発表です。タイトルは以下。

 

米国の教師教育者にみるprofessional identityの多様性

 

米国の同じ大学につとめる3名の社会科教育研究者を対象にインタビュー調査を行い、彼らが持つ教科観と教師教育観を分析しました。今回は写真の岡田先生を中心としたチームで動きました。皆さん忙しい中にも関わらず精力的に仕事をこなし、面白い研究成果が見えて参りました。特に大学教員が自身で捉えている社会的責任は多様。彼らの仕事観は社会的・文化的文脈にかなり影響を受けています。詳細は論文として発行しますので、またご報告が出来ればと思います。

 

 

 

 

2017/3/2

 

以下の報告書が刊行されました。

 

「中学校・高校から学ぶ多様な主体による消費者主権教育の実践ー家庭科と社会科の融合ー」

 

本年度、文科省の連携・協働による消費者教育推進事業(代表者 大藪千穂先生)に採択され、研究を進めておりました。社会科では岐阜高校の三浦先生、附属中の前田先生、矢島先生にご尽力を頂き、「消費者主権」をキーワードに複数回の実践を行いました。私自身、家庭科について初めて専門的に学びましたが、社会科との共通点も多く大変勉強になりました。三浦先生、前田先生、矢島先生とともに、また論文等で報告をして参りたいと思います。

 

 

 

 

2018/3/1

 

先日の米国出張は大変productiveでした。3月末までに追加で論文を執筆する必要が出てまいりましたが、とても有意義なミーティングが続きました。

 

復路の機内でお皿をつくるサービスがあり、その記念を作ってみました。デザインしたお皿を機内で焼いてもらえるサービスで、周りではハワイの海や山の絵を描く人が見られましたが、私は印象に残る会議であったため、その記録としてみました。

 

面白い機内サービスですね。小物入れに使いたいと思います。

 

 

 

2018/2/27

 

先日は岐阜高校でp4cの研究実践を行いました。テーマは民主主義。授業者は三浦先生です。

 

三浦先生のファシリレートはいつも素晴らしいのですが、本学校は生徒が立てる問いや組み立てる議論が面白い。「多数決は本当に平等なのか」「中国は民主化すべきか」などの問いを立て、鋭くナナメな議論が展開されました。非常に興味深い実践でした。三浦先生、お疲れ様!

 

 

 

 

2018/2/25

 

先日、牡蠣をお贈りいただきました。

 

広島時代によく食べましたが、殻付きのものはなかなか縁がありませんでした。かなりの量がありましたが、素晴らしい牡蠣で、すぐに全て食べてしまいました。

 

お贈りいただきました貴方、ありがとうございました!美味しい牡蠣でした!

 

 

 

 

 

2018/2/22

 

先日は、長良東小学校で選挙の授業実践を行いました。一昨年度より岐阜市選挙管理委員会と講座の学生がコラボレーションをし、主権者教育の教材を作成しています。今回はそれを元にした授業実践でした。

 

今回の授業の論点は「選挙後」。選挙で選ばれた人が信任を得た形で社会をしっかりデザインするのかどうか。それをチェックするための授業を展開しました。

 

通常は選挙前(制度学習)や選挙中(マニフェスト比較・模擬投票)の授業が多いですが、今回は選挙後の社会と選挙との関係を論点としました。学生の皆さん、お疲れ様でした!

 

 

 

2018/2/19

 

先日はハワイ大学の先生の誕生日パーティーへ出席しました。

 

パーティーでの会話のテーマは「社会的寛容(性)を教育としてどう捉えるか」。直前まで大学で打ち合わせをしていたという背景もあるのですが、プールサイドで行われたパーティーでも延々と議論。改めて特殊な人たち(私も?)に囲まれていることに幸せを感じました。とても楽しい時間でした!

 

 

 

 

2018/2/17

 

調査で米国ハワイに来ております。今回は3月頃に予定している日米を繋いだ教育実践の調整、および次年度に行う米国での学会発表の準備です。

 

岐阜を出発した日は雪でした。気温の変化についていくことが出来ておりませんが、打ち合わせが続きます。太陽の光をエネルギーに変え、乗り切りたいと思います。

 

 

 

 

 

2018/2/16

 

先日は社会系教科教育学会。我がゼミ大学院生の加藤くんと岐阜高専の空先生が学会発表を行いました。タイトルは以下。

 

「社会」と対話する社会形成のための授業開発ーゲスト・ティーチャーとともに作り出す公共空間の可能性ー

 

2年間、我がゼミで作成した加藤くんの修士論文をベースに空先生がリバイスをいたしました。私は都内で会議があり発表へ参加が出来ませんでしたが、多くの先生方からコメントを頂いた様です。刺激的な発表になり、嬉しく思っています。

 

 

 

2018/2/14

 

本日は現役ゼミ生との食事。以前から楽しみにしていたイベントでした。

 

しかし、指定された場所へ行くと、なんと歴代のゼミ生が集合していました。諸事情で多くのメンバーが集合し、大掛かりなイベントとなっていました。

 

久しぶりに会うメンバーもおり、本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。同期のゼミ生が集まると、その当時のゼミの話に花が咲きます。また、同じような手続きで各自卒論を執筆しているため、年代が異なっても共通の話題が多くみられます。互いの近況報告を交えながら、すでに教員となった先輩、この4月から教員となる後輩との繋がりも生まれてきます。時間を忘れて色々な話が出来ました。

 

いつも思うことですが、私はゼミ生に支えられて日々を送ることが出来ています。心身ともに、彼ら、彼女ら無しでは教育・研究ともに立ち行きません。この度もそのことを強く感じました。

 

忙しい平日に集まってくれた卒業生。また本イベントを企画してくれた現役生の皆さんに心から感謝申し上げます。本当に楽しい時間でした。ありがとうございました。

 

 

 

2018/2/13

 

先日は卒業論文の発表会でした。我がゼミは3名。以下のタイトルで執筆しました。

 

・ハンナ・アーレントの政治哲学に基づく判断力育成の社会科の研究

・メディアリテラシー教育に関する研究

・闘技場としての歴史叙述フレームワークを用いた社会科歴史教育論ーシャンタル・ムフの闘技的民主主義論に基づいてー

 

みなさん、現在の社会科教育研究を批判的に捉え、しっかりとした論文を完成してくれました。最後は睡眠時間を削っての執筆だったことと思います。後日、educationのページに卒論の概要を掲載いたします。

みなさん、よくがんばってくれました。お疲れさまでした!

 


 

 

 

 

 

2018/2/8

 

今年度、社会科教育講座の学生と岐阜市選挙管理委員会とコラボレーションし、小学生向け主権者教育の教材「選挙について考えてみよう」を作成しました。来週、本教材を用いて社会科の実践を行います。本日は、その授業づくりを行いました。

 

小学生は選挙(政治)をどう考えるのか?

 

面白い授業になりそうです。

 

 

 

 

2018/1/31

 

先日は講義(社会科教育実践論)の中で学生が模擬授業を行いました。タイトルは「工場を建てよう」。世界地図を見ながら、ハンバーガー工場を新設する場所を検討する授業です。

 

世界の気候区分や宗教分布図などを読み解きながら、購買者の消費行動を分析し工場の立地を考える。面白い実践でした。

 

 

 

 

 

 

2018/1/28

 

本日は岐阜市長選挙と市議補選の投票日。今回から、岐阜市は「投票済証」から写真の「投票所来場証明書」へと変わりました。

 

この変化はかなり重要です。「来場証明書」は来場した証として配布されるだけのもの。今回から「投票済証」を集めるという行動は意味を持たなくなります。この変化は、役所の負担軽減以上に非常に重要です。岐阜市選管の英断を支持したいと思います。

 

 

 

 

 

2018/1/26

 

岐阜は連日雪。

写真は、我が家の犬の散歩道。大きな公園ですが、白銀の世界が広がっています。

 

気温はマイナスですが、気持ちの良い朝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/1/25

 

本日は岐阜高専で授業実践。院生の加藤くんと岐阜高専の空先生と共にコラボし、フリーライダーを分析する社会参加の授業を行いました。

 

テーマは「社会との議論」。詳細は同様のタイトルで2月の社会系教科教育学会にて発表いたします。ご関心のある方は、ぜひお越しください。

 

空先生の授業展開、さすがでした。

 

 

 

 

 

2018/1/22

 

本日は、若者選挙ネットワークのメンバーが出前授業を行いました。若者選挙ネットワークとは、全国の大学生が集う選挙啓発系の集まりです。副代表には我がゼミの小栗くんが所属しています。1年がかりで授業を作り、岐阜大学附属中学校で本実践が行われました。岐阜県内はもちろん、東京からも多数の参観者があり、大々的な企画となりました。

 

本企画のポイントは、「選挙へ行こう」という授業ではないこと。政治を考える出前授業として、メディア・リテラシーを育成する授業と、p4cを用いて政治を考える授業が展開されました。今後公開されるとのことですので詳細は避けますが、様々な団体が実施している所謂「講座型出前授業」への批判からスタートしています。大学生中心の大変刺激的なプロジェクトです。

 

本プロジェクトは、24日にも愛知教育大学附属岡崎中学校で最後の実践を行います。参観可能ですので、ご希望の方は私へご連絡をいただけましたら幸いです。ネットワークのみなさま、まずは第1段階。お疲れ様でした!

 

 

 

2018/1/19

 

本日は「人権」の講義。コモングッドを前提とせず批判的に捉えるため、常識をひっくり返す手続きの学びを行いました。

 

事例はサッカーW杯におけるブブゼラ問題。規則功利主義と行為功利主義を用いて、価値判断の思想を暴く実践です。1年生向けの講義のため若干難しいかとも思いましたが、皆さんしっかりと取り組んでくれた様です。今回の学びを社会問題の分析へ応用してほしいと思います。

 

 

 

2018/1/18

 

岐阜県には教育実践研究論文募集事業(通称:「実践論文」)というものがあります。我がゼミ出身で現在、岐阜県各務ヶ原市の小学校で教員をしている林誠悟先生が、以下のタイトルで今年度の各務原市の優秀賞に選ばれました。

 

社会的事象の意味を解釈し仲間と共に知識を創り出す子どもが育つ社会科学習」

 

卒論ではデューイを読み込み、協働的な問題解決学習のあり方を原理的に考察しました。今回は、それを大きく発展させ、自身の学級に合わせて一から作り直したものを論文化したとのこと。まだ先生になって2年目。多忙極める教育現場に身を置きつつ、精力的に研究実践に取り組んでいる姿に大変嬉しく思っています。林君、おめでとう!!!

(写真は、彼が卒論発表を行っている際のものです)

 

 

 

2018/1/16

 

本日は、岐阜県若者の選挙意識を高める会のメンバーが1月28日に実施される岐阜市長選、岐阜市議補選の啓発を行いました。

 

今回はチラシもメンバーが作成。卵が二つ並んだデザイン、素晴らしいセンスです!。選管が用意してくれたチラシ(500枚)も全て無くなりました。学生の皆さん、寒い中お疲れ様でした。

 

ただ、このタイプの啓発は限界があると思います。そのため、我々のメンバーは啓発(政治を考えるという意味の啓発)の中心を教育においております。費用対効果を考え、啓発の形も変化してゆく必要があるかと思います。秀逸なメンバーが揃っておりますので、関係各所と連携をしつつ、引き続き様々なしかけのあり方を考えて参りたいと思います。

 

 

 

2018/1/13

 

本日からセンター試験。岐阜大学はまだ若干雪に覆われておりますが、空気は澄んでおり気持ちの良い朝です。

 

大学へ来られる方は時間に余裕を持って、お越しください。

 

 

 

 

 

 

 

2018/1/12

 

p4cの授業実践を見るため、仙台市立第一中学校を訪問させて頂きました。当該の学校は数年前から学校としてp4cに取り組んでおります。宮城教育大学の関係者にコーディネートを頂き、今回は道徳と保健体育の授業を見学させて頂きました。

 

様々なことを感じましたが、一番は管理職による学校(主に教科学習)のマネジメントの重要性。各先生方の個性を一番に考え、彼らの力が発揮出来るよう、管理職の先生方がカリキュラムやその環境を整えておられました。もちろん、「・・学習を取り入れなさい」という「管理・統制」ではなく、先生方個々人の価値観や教育観・学習観が生きる組織作りを細かく、丁寧に整える。各教員が授業をしやすい環境を、管理職の方々が先回りして考え、準備してゆく。結果的に先生方が自由に授業を展開し、子どもたちも自由に思いや意見を言える環境(safety)が構成され、学校全体がとても柔らかい空気感に包まれておりました。

 

組織の目指すべき姿の一つを見ることができ、大変勉強になりました。野澤先生、ありがとうございました!

 

 

 

2018/1/11

 

社会科教育実践論の講義では学生が模擬授業を行います。今日のテーマは「江戸時代の『鎖国』を考える」。鎖国の解釈を複数化させる実践でした。

 

授業では生徒が班活動の中で鎖国に変わる新たなイメージワードを考える活動が中心。「制限貿易」「好きなもの外交」「藩交流」「ダメージジーンズ政策」など、歴史解釈を再検討する授業でした。

 

当該の外交政策は華夷秩序を含めて様々な分析が可能です。まだまだ荒削りでしたが、興味深い実践でした。

 

 

 

2018/1/10

 

岐阜大学の卒論提出は1月末。最後の追い込み所となりました。我がゼミ3名も頑張ってくれています。

 

今年はムフ、アーレントらを読み解くもの、メディア・リテラシー教育として米国社会科の教科書を分析するものと、多様です。本日は3名で4時間半のゼミ。各々が自身の社会科教育論を構築すべく、本日も議論を交わしました。

 

提出まであと少し。引き続き頑張って欲しいと思っています。

 

 

 

2018/1/7

 

全国社会科教育学会より2017年度の学会奨励賞を受賞いたしました。受賞論文は以下になります。

 

「コミュニケーション理論に基づく社会科教育論ー『社会と折り合いをつける力』の育成を目指した授業デザインー」

 

日々、研究活動を支えてくれている妻、教育・研究を助けて頂いております教職員や学生をはじめとした様々な方々へ心より感謝申し上げます。

 

私自身まだまだ研究途上であり、挑戦したいことが数多くございます。学会への貢献はもちろんですが、引き続き教育現場とコラボレーションが出来るよう教育・研究を進めて参りたいと思います。今後とも何卒ご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

2018/1/5

 

以下の記事が刊行されました。

 

「対話からつくる考える授業ー企業・消費者・社会の関係を分析しようー」レインボーニュース、Vol.35、証券知識普及プロジェクト

 

本件は、東証、日証等が関わっている金融教育のプロジェクトです。過日、清水書院からご依頼を頂き、岐阜市東長良中学校の古田伸二先生が経済の授業を実践されました。

 

単元は「消費者と経済」。通常の学校カリキュラムの中に本実践を位置づけ、社会科を中核として他教科での学びを連携する実践です。授業内容はもちろんですが、カリキュラム・マネジメントの観点でも刺激的な実践となり嬉しく思っています。以下から全文を読むことが出来ます。ご関心のある方は是非、お読みいただけましたら幸いです。http://www.kinyu-navi.jp/textbook/contents4/pdf/rainbownews-vol35.pdf   古田先生、お疲れ様でした!

 

 

 

2018/1/1

 

新年明けましておめでとうございます。

 

本年も色々と挑戦をして参りたいと思います。本年は、社会研究をより深める社会科のあり方として、異業種とのコラボレーションを特に加速してまいりたいと思います。関係者の方々、どうかご指導・ご支援の程、よろしくお願いいたします。

 

(写真は岐阜県岐阜市にある伊奈波神社です)

 

 

過去のブログは以下。

blog 2017

blog 2016

blog 2015

blog 2014